当事者青年との出会い。

この間、高機能自閉症の22才の青年と、仕事をご一緒しました。
彼、なんとも言えずかわいいところがあって…やっぱりなにかなぁ、
ナツと同じニオイがするというか?

なんとも言えず、私は彼に好意を持ったのですが…母のような気持ちでね…とはいっても、私の息子としては、ちと大き過ぎですがね…

その彼も、「POSHIさんの娘さんは、今いくつ?」とか、いろいろ、聞いてくれて。

話をしているうちに、彼が言いました。

「おれ、IQ(知能指数)が120、あるんだよ」


120~~~~~!!!


ちょー待て。
なんちゅう高さじゃ

IQ(知能指数)というのは、100が平均値であり、大半の人間は、85~115の間におさまるわけです。
IQ120なんて、全体のせいぜい1割くらいじゃないのかな?

しかし、高機能自閉症の方の中には、150に近いIQ値が出る方もいるんです。
天才、という領域です。

(…そういえば、この間、NHKのクローズアップ現代で、発達障害者の才能開発、みたいな内容をやってたみたいですね。見逃したけど…誰か、見ました?)

だから、この彼は、かなーり頭いいってことなんですが、
そう言われてビックリこいたわたくしは、

「え~うちの娘なんて、IQ57だよ!」

って言ったら、今度は彼がビックリし、

「ええ~!!それって、重度じゃねぇん(ないの)!?」

と。


ご、ごめん、いちおー、重度じゃないんだわぁ~~~


周りにいた人が、「いや、重度じゃないよ!!」とかフォローしてたし
いや、いいんですよ…別に、ショック受けてるわけじゃないですよ。
だって、彼の半分以下だよ?そりゃ、彼にしたら、「なんじゃそら」の世界ですよ。無理もないって。


実際には、重度というのは、IQ20~35、35~50が中度だから、うちの場合は、軽度知的障害で間違いないわけで。(まあ、今測定したら、もっと低いかもしれんけどね)

この、重度の基準というのも、療育手帳の基準と、…なんだっけ、労働の分野?では基準が違うんだ、とか聞きました。
労働の分野、つまり、障害者雇用においては、50以下はみな一律重度あつかい、なんだったかなぁ。
(間違ってたらごめんなさい、飲みの席で聞いた話なんで)

重度障害者を雇用すると、助成金が出るので、この判定は重要になってくるんだと思います。

ちなみに、アメリカだと、日本で重度の人→中度、中度の人→軽度、扱いになることが多い、とか言う話も聞きました。なぜって、アメリカは適切な支援を受けることにおいて日本よりも制度的に充実しているので、適切な支援のもとでは生活能力が上がり、したがって障害判定も軽くなるんだとか。

要するに、日本の障害者は、不十分な環境ゆえに生活能力が低くならざるを得ない、そのぶん判定も重くなる…
判定が重くなると、国としても投入するお金が多くなる…

だったら、障害者が能力を十分に発揮できるような環境を整えれば、全体的に判定も軽くなり、投入するお金も少なくなるのでは…
環境整備にお金はいるだろうけど、ずっと継続的に障害者にお金を投入することを考えれば、有意義な先行投資とも言えるのではないのかなぁ…


話がだいーぶ、横道にそれましたが、
とにかく、「重度じゃねぇん」と言われて「ガクッ」とは来ちゃったけど、
でも本当に憎めないというか、かわいげのある青年でした。

彼と会えて良かったなあ。
これまで、自閉症当事者を講演に呼んでくださいって頼まれても、
ケアできるかどうか自信がなくて、躊躇していたんだけど、
彼と出会って、要するに、自分の子と接している感じと、基本的に一緒だ、と思ったんです。

彼が、しゃべりながら、「今、子どもの声がするから、それが気になって話に集中できない」と言ったんです。

そのとき会場で、小さいお子さんが、なにか声をあげて話していたんです。
通常なら、それほど気にならないような声でしたが、そのときの私は、彼の隣にいたので、彼の言う意味が、彼の感覚が、すっごく手に取るようにわかる気がしたのです。(本当のところはわかってないかもしれませんけどね)
なにか、私もたまに、ナツが苦しい時に感覚的にリンクすることがあるんですけれど…ナツが今、これをイヤだと感じてるなってことが、まるで自分のことのように、まざまざと感じられることがあるんですけれど…その感じと同じでした。

なにか、私の中でまたひとつ、殻が取れたような気がします。
要するに、ナツと接するのと、変わりないんだ。

そりゃ、知能指数は、雲泥の差だよ。でも、やっぱり、なにか同じ種類の人間って感じがするのです。
だから、とっても親しみを感じる。

彼とまた会える日がくると思います。
その日が今から、とっても楽しみ(^-^)

新しい経験を積むとき、とってもワクワクする。
彼との出会いも、私にとっては、ワクワクのひとつでした。
この出会いに感謝したいと思います。

















この記事へのコメント

よーかい
2009年02月14日 03:24
>障害者雇用においては、50以下はみな一律重度あつかい、なんだったかなぁ

えっとね、「職業上の重度」に関しては職安経由で申し込んで各県の障害者職業センターで判定してもらうものになります。
IQで一律に区切るものではないのですよ~。

「職業上の重度判定」は、療育手帳では「軽(B)」の判定なんだけど、手帳の判定とは別に、作業遂行上で一定の困難さが認められる場合に認定されるものなんですね。

すでに上に書かれているように、「重度障害者を雇用すると、助成金が出る」ってことと、法定雇用率からも重度障害者はダブルカウント(1人の雇用で2人の雇用扱い)されるから、企業側にとってはその判定があると雇用しやすい場合も多々あるようです。

だけど、あくまで「企業の論理」なのがちょっとなぁ…なんて思ったりしています。。o( ̄ー ̄;)ゞううむ
きょろ
2009年02月16日 09:30
普通自分のIQは知らないのに、障碍のある方はご存知なのネ。なんか不思議。
しかし120ってすごいね。

クローズアップ現代見ました。イギリスが進んでいるんですって!
全体の3割の児童がなんらかの支援を必要としているという数字に驚きました。
日本にも必要だよー。しかしお金がかかるらしい。

子供のころから支援していき、その子供が自立して生活できる大人になれば
国としてはそのほうが出費が少ないという考えらしい。みんな幸せ。ブラボー!
2009年02月17日 06:51
>よーかいさん
そうそう、こういう話はよーかいさんが専門家なんだった。

>手帳の判定とは別に、作業遂行上で一定の困難さが認められる場合に認定されるものなんですね。

そうそう…たぶん、そういう話だったのかな?
IQで50ある人でも、重度判定されることがあるって話だったのかも。
作業能力の問題で?

ダブルカウントの話も聞いたことあります。
だから、企業的には「おいしい」ってことで。

…あくまで企業側の立場からの話です、たしかに…
2009年02月17日 06:57
>きょろちゃん
亀レスごめんね。
そうそう、普通、自分のIQなんて知らないよね。
でも小学生のとき、全員いっせいに、知能テストみたいなの受けさせられなかった?あれでIQ実は出てたんじゃないのかなぁ?
なんかうちの兄が、それで数値が悪かったってんで、親が呼び出されて、どっかおかしいんじゃないかって言われたことがあったらしい。
うちの親は、そんなワケないでしょって一蹴したらしい…
たしかに、うちの兄は、かなり頭いいほうだと思うので、まさか知能テストでは引っかからないと思うわけだが。
障害児の場合は、なにかと検査されることが多いのよね。
手帳をもらうのにも、判定のために検査が必要だからね。
だから、そのとき聞けば、IQもわかる。

イギリスは前々から進んでるって聞いてるな。しかし3割ってすごいね。学習障害が多いのかな。英語圏はどうしても、学習障害が多くなるらしい。
きょろちゃんの言うとおり、初期投資したほうが、多くの障害者を施設にほうりこむよりも、ずっとお金はかからないと思う。日本も考え方を変えなきゃね。
よーかい
2009年02月17日 21:11
>そうそう、普通、自分のIQなんて知らないよね。
>でも小学生のとき、全員いっせいに、知能テストみたいなの受けさせられなかった?
>あれでIQ実は出てたんじゃないのかなぁ?

あんまり公にはされていないのですが、学校ではたしかにこっそりIQを計り、そして「上」と「下」の一部の児童の親には伝えているのですよ。
(実は、父も、よーかいもそれぞれ自分自身のIQは知っていたりします。。σ(^_^;)アセアセ... )

ただ、120くらいだったら「高い」とはいえ学校が親に教えるほどの値ではないので、多分高機能自閉症の検査のときに、WAIS-R式知能検査とかで算出された値じゃないかなぁ。

一方、学校のは通常田中・ビネー知能検査ですが、実年齢と精神年齢の誤差でIQが算出されます。
だから、幼い時なら驚くほど高い値がでることもあるらしいのですが、「金田一少年」が高校生でIQ180というのは理論上ありえない話です。

ちなみに、成人用の最大値はIQ145なのです…o( ̄ー ̄;)ゞううむ
よーかい
2009年02月17日 21:20
ちなみに、東大生のIQの平均は110なんだとか。
つまり100以下の人もけっこういるわけなのです。

勉強ができるかどうかとかにはあんまりIQって関係ないみたいです。


ホント、あくまで「参考値」って感じだと思いますですよ…(; ̄∀ ̄A

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