23年前のあの夏…  映画「クライマーズ・ハイ」

今週火曜、「クライマーズ・ハイ」見てきました~。
最初に結論を言うと、「タイタニック」の日本版のようなものを期待して見に行った私は、
見事に肩透かし。
もし、私みたいな勘違いしている人がいたら、見に行く前に、認識を改めてから行ったほうがいいかも~。
これ以降はネタバレしていますので、お気をつけください。













うかつなことに、前知識をまったく持たずに行った私。
でも絶対見るぞ!と思っていたので、急にガス屋が午後に点検にくることになり、
朝から必死にガスコンロ周りの掃除をし、急いで化粧して(ほとんどスッピンに近かった)、家を飛び出し、映画館についたときは既に上映開始時間を4分ほど経過。チケット引き換えるのに更に3分ほど経過し、飲み物も買えずにシアターに飛び込んだら、本編開始30秒前くらいでした
なんとか間に合って良かった~。

さて…
この映画ですが。

冒頭に書いたとおり、私は「タイタニック」みたいな映画かと思って見に行ったわけです。

でも、考えてみると、そんな当たり前の切り口、アメリカ映画では使い古されてるし…
そういう映画いまさら作ってもねぇ…ってことなのかしら。
つまり、日航ジャンボ機墜落事故については、これまでにもドキュメンタリーなどで映像化されて検証もされているし、いまさらお涙頂戴の映画作っても…

ってことなのかなぁ。

だから切り口の違う映画を作ったのかなぁ。

にしても、そういう映画だと思い込んで見に行ったので…ありりりり。


主人公は堤真一演じる、「悠木」という人物で、新聞の編集者なんですが、
いきなり最初のほうで、どうも離婚して奥さんが引き取ったらしい息子と、空港で別れるシーンがあるんです。

ユウと同じくらいか、ちょっと大きいくらいの小学生の男の子。
沢で拾った小石を、「僕と思って持っていて」とお父さん(悠木)に渡します。

そこでもう涙が出てくるワタシ。
なぜかって。

だって、てっきり、その子が日航123便に乗って、御巣鷹山で亡くなることになるのかと思ったんだもーん!!!

ところがとんでもない。この息子、最後までピンシャンして生きてましたとも。ハイ~

だって更にね。
悠木が、123便の乗客名簿を見ていて、ピタッと手が止まるシーンがあるんです。
9歳の男の子の名前のところで。

こっ、これが息子なのか!?苗字が違うのは、離婚したからだろうな~
などと、勝手に思って「かわいそ~この人、息子が死んでしまっても、新聞作るのをやめられないんだ…」などと思って見ていたのですが。ところがどっこい。見ているうちに、どうもおかしーやと気がつき…。

息子、生きてて、ちゃんと最後に出てきました~。そりゃそうだ~。
もし実の息子が死んだのに、こんなに新聞作るのに必死になってる父親だったら、サイアク過ぎるわ。
そうなんだけど、誤解招くよ~こういうシーンはさ~。


問題の8月12日、夜7時半ごろ。
日航ジャンボ機羽田発大阪行き123便がレーダーから消えました、という報道が、悠木が勤める「北関東新聞」の編集室に響き渡るときは、シーンとして、みんなが聞き入っていて。実際こんな風だったんだろうか~と思いました。
このシーンなど、ニュース映像や音声は、当時のものを使ったそうです。

一報を受けて、息を吹き返したように動き出す記者・編集者たち。
黒電話でバンバンかけまくりです。
ええ~まだ黒電話だっけぇ!!この時代!!
さらに「ポケベル鳴らしたのに、なにしてた!」とかいうシーンもあるのよね。
うーむ、ポケベル時代だったんだ。

映画の中のエピソードでも、「携帯があったらこんなことは起こらなかっただろう」「こんな苦労は無かっただろう」というようなシーンがいくつもありました。
会社と連絡取るのに、そのへんの民家の電話借りたり。共同通信に頼み込んで、無線を借りろ!と言ってたり。
無線を使いたがること自体を、怠慢であるかのように説教する上司が出てきたり。

今だったら自分の携帯から電話するだけだもの。
便利になりましたよね~


とにかくね、結論を言うと、要するにこの映画は、「報道の映画」だったんですよ。
え?みなさん知ってらっしゃった?

私は、知らんかった~(-_-;)すみません、私が悪うございました。
ポスターをよく見たらわかったはずでしたぁ。

そうか、報道を描いた映画だったんだ~。
そういう意味では、最後まで飽きさせないで引っ張ってくし、なかなか良かったとは思うんだけど。

でも、材料になってるのが、23年前の8月のあの事故。
日航ジャンボ機墜落事故ですから。御巣鷹山ですから。

うーん、報道の映画を撮るのに、御巣鷹山でなければならないのか???

でも、見ていてわかったけど、要するにあの至上まれに見る大惨事は、
報道する側にしたら、これ以上ないような「ネタ」だったわけで。

至上最悪の航空機事故をめぐって、新聞各社が必死に報道合戦を繰り広げる。
他社とは違うニュースを載せるために、遺品でもなんでも、拾ってきて写真撮っちゃう。
街歩きするような格好で、落ちたばっかりの現場まで山を登っちゃう。
へたしたら自分も命落としかねないというのに、もう必死。
報道の根性ってすごいんだなぁ。

こんな仕事してたら、家庭生活なんて営めるわけないわ~って見てて思いました。
こういう人たちの妻にはなりたくないっ。

というわけで、堤真一演じる主人公 悠木は、離婚しているんだな~当然でしょうねぇ。

なんか、私としては、23年前に、あの事故の同じ時代に生きていたものとして、
当時を回想するつもりで行ったんですが、
ゆっくりそういう思いにふけるような映画ではありませんでしたなぁ。

あっ、堺雅人が良かったです。カッターシャツにスラックス姿で山に登っちゃってましたが。
この俳優さん好きだわ~以前から。なんかいいよね。

みなさん、23年前の8月12日、なにをしていましたか?
私はね~たまたまなんですけど、千葉の、結婚した兄の家にいたんですよ。
遊びに行ってたんです。
当時私は15歳。高校1年生でした。

飛行機がレーダーから消えたというニュース速報が7時半ごろあって…
テレビを見ていて。
9時からの、「東京裁判」を見ていたんです。そうしたら、途中でそれが突然中断されちゃって。
ニュースセンターに変わっちゃって、あとはもう、日航機の話ばっかりになりました。

ずーっと、乗客の名前が、画面のはじにずらずら~っとテロップで流れていたのを覚えています。
そのうちに、兄夫婦が、

「坂本九が!」

と叫びだしたような記憶が…
うーん?そんな早い段階で、坂本九が乗っていることがわかっていたんだっけかなあ。
でも、兄が、

「日本人で唯一、全米1位を獲得した歌手が…」

と言っていたことを今でも覚えてます。


映画に話を戻すと、事故現場に最初に到着(事故の翌日かな)した記者が、
そのとき見た光景がショックで、精神的におかしくなってしまうところなんかも描かれていました。

…ベトナム戦争に行ったアメリカ兵が、おかしくなっちゃったようなものでしょうね。

520名のうち、一応手足のそろった状態だった方は、半数にも満たなかったらしいのですから。
ほとんどが肉片で、機長は歯しか残らなかったというのは有名な話ですね。

機長をはじめとした乗務員たちが、長年、誤解を受けて、その遺族の方たちは、言われなき中傷に耐えなければならなかったことなど、あの事故が残した爪あとはいろいろあるけれど、
映画では、それらのことにはまったく触れていません。

事故そのものに、あまり触れてないんです。

あくまで新聞記者の話なんで…

時々山登りのシーンが出てきたりして、
新聞作りは山登りに似ているっていう意味なんだろうけど。

息子の話をからめてきたりするんだけど、そのからめかたも、
なんか中途半端でよく意味がわからず。

要するに、一番言いたかったのはなんだったの?という、消化不良感が残ったという…

新聞社での人間模様とか、
編集・広告・販売、それぞれの立場の人たちの対立、せめぎあい。
上司との関係。
しっかり描かれていて、見ごたえのある映画ではあったんだけど、…


なんか釈然としませんでした。うーむ。

これでいいのか??
















この記事へのコメント

きょろ
2008年07月14日 09:13
原作は重厚感があっていいですよ。あなたの釈然としない気持ちに応えてくれると思うわ。しかし分厚いハードカバー1冊分のエピソードを映画1本の上映時間に盛り込むのは厳しいわね。親子の確執のあたりが薄くなっちゃってる(^^ゞやっぱ意味わかんないよね(苦笑)

デスクにPCが乗ってない、電話がダイヤル、「浅間山荘」につぐ、昭和の時代を感じる映画です。みんなの記憶にあるくらいの昔って実は作るのは大変なのだよ。時代考証が間違っていると大勢の人にすぐばれちゃうからね。

しかし、男って…効率効率と声高に叫ぶ割に、実はねちっこくてねばっこいのだよね。
2008年07月16日 13:46
これにコメントつけるの忘れてたわ~
うん。親子の確執、わからんて、あれ。要するに、仕事ばっかして、僕のことはほったらかしで~って、それくらいのことは伝わってきたけど、深いところまでは、わかんないよ~あの映像じゃ。

>時代考証が間違っていると大勢の人にすぐばれちゃうからね。
でも、私、ほとんど忘れてる…20数年前のことなんか…

確かに男のねたみやイジメって、結構タチ悪いかもね。

この記事へのトラックバック