【映画レビュー】「ひめゆり」

これは絶対見ると決めていたので、時間を作って見に行ってきました…時間は自分で作るもの。
私は、「ひめゆり」は、
今自分が死んでも誰もなんとも思ってくれないけど、
戦争で死ねば、英霊って奉ってもらえるから、戦争になればいい

なんて、甘ったれたこと言っているやつ全員、見るべきだと思いました。

生き残った方々の証言で綴られている映画です。
12年もかけて取材されています。丁寧に作られているという印象でした。
実際に「その場」に足を運んでもらって、「その場」でお話を聞く、という形式です。
壕のあった場所は、ほとんど草木が覆いかぶさり、埋もれてしまっていました。




脳天が割られて脳や脳しょうが飛び散ったり、
首がどこかへ行ってしまった死体や、肉片や、片腕や片足がそこらじゅうに散乱している中を、
友を探して壕の奥まで行ったら、叩きつけられて変わり果てた姿で死んでいた…

海岸で、友人や先生たちの死体がゴロゴロ、
手榴弾で自決した体の一部がバラバラに飛び散って
血の海の中に座りつくした、16や17の、年端もいかない少女たち。

それでも最後まで、日本は負けないと思ってたし、
捕虜になるくらいなら死のうと、それしか考えていなかったって。

アメリカ兵につかまったら、女子は辱められ、股裂きにされて殺されると教えられてたって。
そんな目に合うくらいなら、これで死になさいと手榴弾を渡されたって。

負傷兵の傷にたかるウジ虫が、くちゅくちゅくちゅと傷口を喰う音が耳に残って離れないって…
累々と転がる死体の光景が、目に焼きついて、どうしても忘れられないって…

ケガをして死ぬのはイヤ、即死したいって思ったって。

10代の少女たち222人が負傷兵の看護に三ヶ月間働かされ、
最後は解散の一言で放り出され、砲弾の中を逃げ惑う。

看護に従事していた3ヶ月には19人の死者のみだったのに対し、
「解散」後は100名以上が数日間のうちに亡くなったそうです。

淡々とした繰り返しの映像だけど、お一人お一人の言葉から、
たとえようもない、あまりに酷い真実が滲み出す。
ああ、今でも、こんなに苦しんでらっしゃるんだ。
お涙ちょうだいの演出なんて全然いらないよ。

10代のもっとも輝かしい時に
こんな非人間的な残酷な経験をして、
生き残っても、きっと日々、悪夢に苦しめられてきたに違いない。
生き残った方々の中でも、20人の方が、いまだに一切の証言を拒み、
もちろん戦跡に足を運ぶことも拒んでいるのだそうだ。

人に、そんな重い十字架を背負わせるなんて。

戦争なんてしちゃいけない。
戦争の片棒をかついでもいけない!
人間のすることじゃ、ないよ。おかしいよ。精神がおかしくなるよ。




岡山市丸の内 シネマ・クレールで、16日まで上映中。(映画公式HP
ひめゆり平和祈念資料館HP



↓ブログランキングに参加しています。もしよろしければ応援クリックお願いします。
画像

この記事へのコメント

ちず
2007年11月14日 11:47
見に行けて良かったよぉ。地方もガンガン回ってほしい映画ですわ。
kawaiea
2007年11月14日 17:36
ちずさん・よーかいさんのところでお世話になっています、Kawaieaです。

今日見てきました。
まだ気持ちが整理できていませんが、とりあえず思ったのは「地に足のついた」印象、ということです。
この内容を、いかに自分の生活に引き寄せて考えるか、が問題じゃないかと思っています。

職場で同僚に勧めてみましたが、興味のある人は残り2日とも都合が悪い様子。
今回はちょっと無理かなぁ。
みき
2007年11月14日 18:26
突然のコメント失礼します。沖縄出身で今OLやってるものです。
質問ですが、「死んでも誰も気にしないから戦争になればいい」って言ってる人っているんですか?
にわかには信じられないのですが…気になったのでコメントしました。
2007年11月14日 18:50
>kawaieaさん
おや!ようこそいらっしゃいました♪もちろん存じ上げてますとも♪
「いかに自分の生活に引き寄せて考えるか」…ほんとですね。実際には、私たちは戦争を身近には感じられない生活をしています。が、実は世界のどこかで常に誰かが戦争をしている。そのことを常に考えないといけないです。
昨今の日本の思想の流れが、戦争へ向かっている気がして、私は恐ろしいのです。決して、遠い昔の出来事とは思えません。明日はわが身かもしれません。そうなったとき、うちの娘のような障害者がどうなるか、考えただけでも…

>みきさん
コメントありがとうございます。
このセリフはですね、実際にテレビで言っているのを聞きました。フリーターをずっとやっていて、月収が非常に少ない方の発言でした。8月のテレビでした。私の過去記事にあると思います…http://mrs-possible.at.webry.info/200708/article_9.html憲法9条について考える番組でした。胸が悪くなるような内容でしたよ。格差社会が高じると、社会に不満を感じる層が厚くなり、戦争へと向かいやすくなるようですね。
Kawaiea
2007年11月14日 19:44
さっき「あさって、見に行ってみようと思うんですけど」と同僚の一人が言ってくれました。場所の詳細を教えて、パンフを1冊追加で買ってもらうよう頼んだところです。
2007年11月14日 19:44
>ちずさん
レス抜かしてしまいました(^^ゞ
ほんと、たくさんの人に見てもらいたいです!でも、映画館にはちょっとしか人がいなかった~(>_<)若者よ~もっと見ろ~
2007年11月14日 19:48
>kawaieaさん
えっ、同僚の方が!すごい。素晴らしい。
私も行くとき、友達誘おうかと実は思ったんですけど、こういうのはみんな見たがらないよなって、つい遠慮しちゃいました。ダメですね、そんなことでは。反省です。見てから思いました。
2007年11月14日 19:58
コメント欄があまりに読みにくかったので、スキンを変更しました…
きょろ
2007年11月15日 11:33
コメント見てふと思い出した映画があります「ダーウィンの悪夢」というドキュメンタリー映画。タンザニアが舞台なんだけどあることがきっかけで街が一部の裕福な層と貧乏な層に別れてしまうの。治安が悪くなってささいなことでばっさばっさと人が死んでゆく。そんな中(やらせなのかもしれないけど…)若い男性が、何の意味もなく死を迎えるより、戦争で死んだ方が意味がある死なのかも…と言っていた。食べるものがなくて寝るところがないということは「ひと」が「ひと」であるということでさえ揺るがすことなんだなと。。。。
2007年11月18日 22:14
きょろちゃんごめん、何個かコメント見落としてたわ(汗)
やっぱりね、自分が恵まれない境遇にあると、自暴自棄になって、他人もどうでも良くなるみたいね。というか、自分だけこんなに不幸なのはおかしいだろって論理みたい…みんな不幸になれよって感じ?戦争になると、ほら軍需産業のせいで経済が一時的に潤ったりするので、そういう恩恵にあずかれれば…という発想もあるみたい。アメリカなんかは、まさにそんな感じで、一部の人だけ戦争してて、その後ろにいる人たちは、戦争による経済効果を謳歌しているようなところがあるけど(偏見かしら…でも父親たちの星条旗ってそんな感じだったよね)、日本みたいな小さな国は、潤ってる暇もなく、一億総臨戦態勢!って感じになると思うんだけど。そんでも平気なんかナ、彼らは。とにかく、そういう意見が表立って出てくる、今の世情が怖い。

この記事へのトラックバック