映画レビュー「ユナイテッド93」

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テレビが壊れて買い換えて、その時ついでにe2byスカパーにも入ったんで、
スターチャンネルで「ユナイテッド93」を見たんです。
「9.11特集」の一環として、この映画も放映されてたので、見たんですが…

ですから、古い映画の話で恐縮ですが…
いちおう、見た感想を。

いやもう。
怖いのなんのって。


すごいリアルなんですよ。
かなりの取材・検証をして作られたらしいんですけど、
その努力なくしてはこのリアリズムはなかったでしょうね。

ハリウッドは悲惨な事件もすぐに商売にしちゃうんだ~って批判もあったみたいだけど、
私が見た感じ、非常に真剣に作られた映画だと思いました。

実はほとんど全員、プロの役者がドラマを演じているのに、
あたかもドキュメンタリーを見ているような錯覚に陥るのは、
ひとつには

無名の役者ばかりで揃えていること。
本物の管制官、当時そのときその場で勤務していた人たちに
本人役で出演してもらっていること。
登場人物の中で、特定の誰かに焦点を固定していないこと。
カメラが揺れたりして、本当にその場にいる人の目から見たように思えること。


普通の映画なら、「この人が主人公」って決まっていて、
その人の立場から描いたり、その人の活躍を描いたりするわけだけど、
「ユナイテッド93」は、誰も主人公じゃなく、ある意味、全員が主人公。

(こっから下はネタバレ含みます…ネタバレっつーても事実に基づいてるから、公にされてることなんですけど。)





2001年9月11日。
アメリカ同時多発テロの日。
約1時間半の間に航空機4機がハイジャックされ、うち2機は世界貿易センタービルへ。
うち1機はペンタゴン(アメリカ国防総省)へ。
最後の1機である「ユナイテッド93」は、唯一、目標到達を免れた(墜落により乗客乗員は全員死亡)。

なぜ目標に到達しなかったかというと、機内の乗客が、
テロリストたちに反抗したからである、という話がこの映画。
別に完全な作り話というわけではなく、
いくつかの音声や電話での会話をもとに推測したことらしい。

映画によると、
最初、管制塔も、
「え?なんか変な声が聞こえた。ハイジャック?」って半信半疑だったし、
各地の空港の管制塔や航空センター間で、情報が錯綜し、
現場が混乱しているのがよくわかる。

当時、4200機もの飛行機が、アメリカの上空を飛んでたらしいです。
そんなに飛んでたら、どれがハイジャックでどれが通信の不調なのか、
なにがなんなのか完全に把握するのはそりゃ難しいことでしょうねぇ…

最新のコンピュータを持ってしても、航空機の正確な位置を
画面上で把握するのは難しいみたいで、
画面上で「アメリカン11が消えた!」と「消えたぞ!」と叫んでいても、
それが貿易センタービル北棟への衝突だとは思ってなかったみたい。

管制官たちはニュース映像でそれを知らされて、
「なぜこんな晴天の日に、こんなことになるんだ?」って感じで、
あくまでパイロットの操作ミスでぶつかったと思っていて、
テロだとは思っていない様子。

また次にユナイテッド175便が変な進路を取ったときもまだ
「またハイジャックなのか?」って半信半疑。
やはりニュース映像で二機目の衝突の瞬間を見たときは、さすがにその場にいた全員が
沈黙し、凍り付いていました。

そんで、肝心な時に軍のお偉いさんがみんな不在で連絡取れなかったり、
米軍も案外お粗末だったのね。

ただ、「日本と違うな~」って思ったのは、
ハイジャックされたかもって話になったとき、すぐに
「攻撃部隊を出しますか」みたいなことを言ってたこと。

ええ~民間機だよ、民間人いっぱい乗ってんだよ。なのに攻撃しちゃうわけ!
日本ならあり得んなぁ、と思った。

ユナイテッド93便は、映画ではホワイトハウスを目指していたということになってます。

それを、乗客が力を合わせて犯人に立ち向かい、阻止するも、
飛行機は高度を下げすぎていて、姿勢制御もままならず、
そのまま墜落してしまう…という結末。

一番怖かったのは、いきなりテロリストが、自分のすぐ前に座っていた
乗客の喉を掻っ切ったとき。うえ~ん、怖い~。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。


なんか人が殺されるところや、乗客がテロリストをやっつけるところなんかも、
通常の娯楽映画なんかの乱闘シーンと違って、
人が(テロリストも乗客もね)コーフンして頭も神経もおかしくなっちゃってる様子がよく出てて、
人間こういうときは頭がちょっとおかしくなってるんだなぁ、だから残忍なことも出来ちゃうんだなあって怖かった。

この乗客の方々は、どんなに怖い思いをしただろう。
みんな「愛してる」と家族に電話で伝えるところが本当にかわいそうでした。

本土攻撃を受けたことの無いアメリカ人たちが、この事件で非常に強い危機感を感じたであろうことは、理解できます。

が、他国から、ここまでの憎しみを受ける原因がアメリカ側にもあったということなので。
突然、青天の霹靂のようにゴジラやキングギドラが日本を破壊し始めたのとは
わけが違うんですから。(あ、でもゴジラも水爆実験で生まれたんでしたっけ…ちゃんと理由があるのよね)

暴力は暴力の連鎖しか生まないでしょう。
やられたからやり返せ!…では、もっと大勢の人が亡くなることになりますね。

でも、アメリカ人は、アメリカのランドマークとも言える貿易センタービル、
そして国防の要、ペンタゴンをやられたことは、絶対忘れないでしょうね…
「米国の威信」ってやつに、強くこだわるもんねぇ…

しかし、貿易センタービル跡地を「グランド・ゼロ」って呼ぶのはいかがなものでしょうか。
「グランド・ゼロ」というのは元々、ヒロシマ・ナガサキの爆心地を指す言葉。
全然、違うと思うんですけど…







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この記事へのコメント

よーかい
2007年09月24日 23:25
この映画は、機内上映は不可能でしょうね…σ(^_^;)

だけど、よーかいが初めての海外旅行(イギリス行き)で、値段が安いというだけで何も知らずロシアのアエロフロートを使ったときは、もんのすごい映画が機内で流されていました。

ロシア製のコメディ?映画なのですが、内容がおっそろしくブラック。
そして、アエロフロートそっくりの飛行機がなぜか墜落しそうになり、窓ガラスが割れて、赤ん坊なんかは外にとばされちゃって、乗客も体が浮き上がったりして、もう機内は大パニック…という内容でした。。( ▽|||)

ちなみに、後で知ったところによると、アエロフロートは国内便の事故は数知れず、国際便でも乗った前年には2件の墜落事故が起きていて、1件はパイロットがウォッカ飲んでの飲酒運転。もう1件はパイロットが自分の子どもに運転させて、ボイスレコーダーに残った最期の声は、
「そのボタンは押しちゃいけないー!」
だったそうです。。∑∑( ▽|||)(事実)
2007年09月25日 23:07
>よーかいさん
ダメダメ、機内上映なんてとんでもないっ!!w( ̄△ ̄;)w
怖くってパニック起きそう。私なんて、乗ってないのに「もう飛行機乗れないかも…」って一瞬思ってしまったくらい(/TДT)/あうぅ・・・・

しかし、なんすか、そのロシアのコメディ映画って。あ、でもロシア人って、ブラックなジョークが好きなんだった。昔、ロシア人の書いた、風刺漫画ばっかり集めた本を読んだことありますが。ああいうの、とっても上手なのよね。アエロフロートがヤバイってのも、聞いたことある。それにしても、子どもに運転させて、ボタンひとつで墜落かよ~Σ(T□T)責任感はないのか、責任感は。ゲーセンじゃないんだから~ゲーセンで、車で事故ったら保険金の支払額とか出るやつあるじゃないですか。あれもどうかと思うんだけど。
近頃、やっぱり死なないためには航空会社を選ぼう!と思う次第。アエロフロートに乗ることはないだろうけど、中○航空には乗るまい。と思ってます。台湾には行きたいんだけどねぇ…
よーかい
2007年09月26日 23:07
やー、ですけど、ロシアの基地の上を通るたびに機密保持のために高度を上げるためシートベルトを装着しなきゃならなくて叩き起こされたこととか、無事飛行場についた瞬間に拍手が起こることとか、なかなか味わえない貴重な経験でしたよ~☆v( ̄ー ̄*)にぃ

だけど、これまで乗った中で一番最悪だったのはロイアルエアカンボジー(カンボジア航空)ですね~。
機体はすべて30年以上!
そのガタピシぶりといったら、すっさまじいものがありました…。

なにせ、安定飛行に入ってシートベルト着用のランプが消えても、ぐわんぐわん上下動を繰り返すのです。
ジェットコースターみたいに、ふわっとお尻のあたりの重力がなくなる瞬間が何度あったことか…( ▽|||)

カンボジアからタイへの国際便だったので機内食が運ばれてきましたが、コーヒーが注がれたそばから全部こぼれていきます。
それでもよーかいは根性で機内食を完食しましたが、まわりをみると、みんな飛行機酔いで、げーげーげーげー。。(汗)

あちらからも、こちらからもいま食べたばかりのものを戻す光景が見られて、阿鼻叫喚さながらでしたよ…(; ̄∀ ̄A
2007年09月28日 06:53
>よーかいさん

そんな飛行機、イヤ!乗りたくないヽ(  ̄д ̄;)ノ
昔、飛行機がモスクワ経由だったとき、真夜中のモスクワの空港(名前はなんてゆうんだ?)に着いたとき、みんな顔洗ったり歯磨いたりするために降りただけなんだけど、飛行機から出た途端の芯まで染み込むみたいな寒気と、ショップに展示してある例の毛皮の帽子の数々に、ここはモスクワだ!となんか感動したなぁ。あの帽子を本当にかぶっているところが見たかった。マフも売ってたなぁ。
私はジェットコースターも苦手で乗れないし、人が吐いているところを見るのも苦手なので(得意なやつなんかいないか)、カンボジア航空には乗らないことにしますよ。ええ。←乗る機会もないやろ…

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