映画 「ゲド戦記」

今週は2回もアニメ映画を見に行く週でした。
今日はゲド戦記を見にいってきました。長い上映時間のなかで、何度ウトウトしたことか…
以下はネタバレを含みます、注意!





前評判は聞いていたので、ある程度は覚悟して見に行ったんですが、……………

予想した以上に……|(-_-)|



最初から最後まで、ずーっと気になって仕方なかったのは、絵の荒さです。「アルプスの少女ハイジ」か、「ルパンⅢ世カリオストロの城」のよう。人物の描き方が平坦で、線も荒く、随所でハイジを思い出すあたり、懐かしいといえば懐かしいけど、私はジブリ作品を劇場に見に行くのに、そういう懐かしさは期待していないのよ(涙)何より風景の遠景シーンが悲しい。私の中では「ハウルの動く城」も決して評価は高くないのだけど、その「ハウル」でも、例えばソフィが湖のほとりに座って湖を眺めるシーンとか、ハウルの秘密の花畑でソフィがたたずむ光景など、流れる雲の色や影とかも美しく、産まれ育った町から一歩も出れずにいたソフィが、知らなかった美しい景色を見た感動が伝わってきたのですが…

他の批評を見ると、描きこみ過ぎなくて良い、と思う向きもあるようですが、私はジブリ独自の美しい映像は、アメリカが大好きな3DCGアニメとはまったく違う、日本が世界に誇ることのできるものだと思っているので、駿監督でないとこうなってしまうのかと思うと、非常に残念。ただ、竜の視線から見た映像なんかは上手かったですが…

町の遠景はそれなりに壮大できれいだけど、単なる平原とか山とか砂漠とかが、あまりに単調。キャラが一人で草原に立ってるシーンでも、「それだけで魅せる」ことができません。架空の世界だからこそ、細かな描きこみでリアリティを出してほしかった。

第一、話自体がよくわからないの。原作読んでないので、頭の中でフォローのしようもありません。テーマとしては、「死があるからこそ生は尊い」といったものなのか?でも、この画面から感じられる世界観は薄っぺらく、世界三大ファンタジーの名にふさわしいとは思えませんでした。

そして、これまでのジブリ作品なら、必ず脇に魅力的なキャラがいたものなんだけど、ゲド戦記では、脇どころか主役キャラにも魅力が感じられない~。基本デザインは駿さんのものなのに、駿さん本人が作ってないと、こうなってしまうの?なんか個性がない。ディテールの描きこみが乏しく、本来そういうところで表現すべきユーモアがない。ジブリらしい脇キャラといえば、生地売りの呪い師とかヤクを売ってる怪しげな男が出てくるんだけど、ほんとうにちょろっと出てきただけで、話全体にはからんでこないし。敵役のクモとうさぎ(童話みたいだ…)は、いかにもジブリらしいけれど。

主要登場人物は、アレンとテルーとテナーとハイタカ。そして悪役のクモとうさぎと、その手下3名ほど。アレンが今ひとつかっこよくないし、テルーもいまひとつかわいくない。寂しくて地味な構成メンバー。花がない~っ。

クモの田中祐子は、「もののけ姫」のエボシ御前と思い切りかぶってるけど、当たり役だからOK。うさぎ役の香川照之うまい!香川照之が、こういうケチな悪党役をやってるのは、俳優としては見たこと無いんだけど、うまいじゃーん、こういう役を実際にやってみてほしいわ。主役のアレンの声の岡田くんは、最初のほうはひどいけど、最後のほうはやや慣れてきた感じ。でもアレンは、もうちょっと若い(高い)声のほうが合っていると思う。岡田くんだと、低音すぎる感じ。相手役のテルーの声の新人の女の子は、歌がうまいかどうかで選んだのだろうけど、セリフは棒読み…(滂沱の涙)歌は良かったけどね。
菅原文太は、もちろん上手かったです。

いや、歴代、主役級は下手だからね。「千と千尋の神隠し」のハクの声の子だって、出だしのほうは下手だしね。「もののけ姫」の石田ゆり子もつらかったよね。でもね、作品の魅力が、それらのマイナス要因をも打ち消して、尚余りあるのが、これまでのジブリ作品だったと思うんだけど…

声の問題はさておき、クモがラストでしわしわのおばあさんになっていくあたりの絵がまたイヤ~!テレビアニメなら許容される範囲だけど、劇場用ジブリ作品ではやめてほしい。素朴な表現を狙っていると考えるべきなのか…

そして、テルーがなんで竜なのかとか、テルーが竜だとわかったのにどうしてテナーは平気でまた一緒に暮らすわけ?とか。(まるで、鶴の恩返しで奥さんが鶴とわかった後もまだ一緒に暮らすって感じ)

「真実の名を明かせ」とか竜とか、「千と千尋…」と重なる要素が多いけれど、それらが「千と千尋」のようには話に旨く生かせていない(もともとは宮崎駿監督は「ゲド戦記」からヒントを得てるんだから、「ゲド戦記」のほうがアイディアの本家本元のはずなんだけど)。世界がどのようにおかしくなってきてるのかとか、竜が出てきた意味とかが、1回見た限りじゃよくわかりませんでした。

とにかくこの話、私は途中で投げてしまいました。残り1時間のあたりで、ロンが「何時に終わるん?」と聞いていたけれど、まさに私もそれを考えてたところ、というくらい長く感じました。

けれど、10代までの子どもには受けがいいみたい。まだろくに映画を見ていないからか、ジブリ作品にかける期待が無いからなのかしらん?

とにかく、宮崎駿監督抜きでもジブリには頑張ってほしいから、今回の経験を糧に、吾郎監督、今後、健闘してほしいです。

ちなみにロンに感想を聞いたところ、「すっげぇ面白かった」…  …   …
6歳の幼稚園児の意見は参考になりませんから。


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この記事へのコメント

きょろ
2006年08月11日 09:50
ゲド見て来たのね♪ある意味楽しめたでしょ。どうもすごく良かった作品よりも評価が低い作品の方があとから友達同士で話しているときに盛り上がる傾向がありますね(笑)そういう意味だけで言えば見る価値はあると思います。キャラのデザインは吾朗氏みたいです。ただ駿パパの「シュナの旅」という漫画を参考にしたというので絵柄が似ているそうです(すごい言い訳)。あとキャラの名前が生き物の名前だというのはどうも原作通りらしい(読んでないけど…)。そしたらあぁた、スパイダーとラビットなのかい?とか…クモの最期のシーンは笑ったね。だってお顔が◯ばっかなんだもん(爆)Yahoo!のユーザーレビューは限りなくグーに近いし…公開前はもっと評価が低かったんだけどちょっと持ち直した感じみたいね。お子様には話が単純でいいのかも。ロン君が喜んでくれたのならよしとしましょう(^-^)
2006年08月11日 11:49
キャラクターはお父さんのでいこうか?と鈴木敏夫プロデューサーが提案した…とかいうのを読んだんだけど。だから、意識的にマネたんだと思うのね。それにしても単なるマネの領域を出ていない…
書き忘れたけど、主役の声の子ね、滑舌悪すぎない?(涙)もっとも肝心の単語「いのち」という言葉をはっきり発音できないのは勘弁してくれ~
でも、ヤフーのレビュー見たら、みんなすっごい酷評だわね。ロンは面白いのか面白くないのか、まだ全然わからんらしいわ(^_^;)
きょろ
2006年08月11日 17:44
そうそう。時々何を言ってるのかわからないのは痛いわ~公開前のレビューはもっとけちょんけちょんでした(笑)限りなくグーに近いの、笑えたわ~これを世界で公開するというだからジブリは勇気あります(^^ゞ

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