バリアフリーな旅行会社

私は「ハワイの話」「沖縄の話」で、「バリアフリー」な旅行について自分なりに語ってきたつもりですが、今日、ひょんなことから、「バリアフリー」を売り物にする旅行会社というものがあるのだということを知りました。今や「バリアフリー」もビジネスチャンス、というわけです。いいえ、ビジネスチャンスと捉えていることを批判するつもりはありません。それどころか、こういう会社のことを、もっと障害者の人やその家族に、知ってもらいたいですね。

私が見つけたのは「ベルテンポ・トラベル・アンドコンサルタンツ」という会社。トップページにこう書かれています。「いつも頑張っているあなたへ。旅に出て、心とカラダを元気にしませんか」………次がいいですよ。………「旅もバリアフリーからユニバーサルデザインへ。旅を諦めている人、諦めそうになっている人の夢を叶える情報サイトです。車椅子や杖を使っていても旅がしたい、温泉に入りたい、海外旅行がしたい。そんな旅の実現をお手伝いします。」

そうなんです。「障害があるから」。それだけで旅をあきらめている人が、大勢いるのです。私の周りの自閉の子を持つお母さんたちも、いっぱい、いっぱい、あきらめている。

でも、障害のある子を持ったって、あるいは自分が障害を持ってたって、旅に出たい気持ちはみんな一緒でしょ?障害者が家族にいるからって、急に聖人君子のように無欲になって、「いいんです、私たちは家にいれば…環境が変わらないのが一番」とか思うようになるとは、私は思えません。もとから旅がキライなら別だけどね。

むしろ日々厳しい現実を生きているからこそ、たまに気晴らしをしたい気持ちが強いはず。

しかし、以前の記事にも書いたとおり、「バリアフリー」は身体障害者のための言葉と思っている人が多い世の中で、この「ベルテンポ」さんのHPはちょっと違うと思いました。というのは、「高次脳機能障害と旅行」という文章があったからです。

(以下、ベルテンポのHPから抜粋)「私達、旅行業界ではバリアフリーツアー・バリアフリー旅行などと言う捉え方をする際に、どうしても「外から見える、障害の状況や程度」に目を向けがちです。車椅子を使っていらっしゃるか、杖で歩行されているのか。マヒがあるのかないのか。段差は、トイレは。などです。手配の側面から考えると、それは決して間違いではないのですが、ここには大きな落とし穴があります。それは、「目に見えない障害」は大変だ。と言うことです。」

「先日、日本のある空港で搭乗を待っていたところ、優先搭乗の案内がありました。優先搭乗とは「子供連れの方や障害がある方など、お手伝いが必要な方」を先に飛行機に乗せてくれるサービスです。高次脳機能障害の方は歩けますし、先に乗る必要がないと言えばないのですが、通路をふさいだり、自分の席がどこかと言う認知が難しいケースが多く、他のお客様と一緒に乗ると、他の方に迷惑をかけてしまうことが予想されます。

私達、事情を知っている人や家族なら想定の範囲内ですが、事情を知らない人は「邪魔だ」「何で気が付かないんだ」などと怒る方もいます。それはそれで怒るのも判ります。周りから見たら、障害があるかどうかがまったく判らないのですから。」

「そんなこともあり、航空会社の方に優先搭乗をお願いしようとしたら、「困ります。障害と言っても歩けない方だけです」と、かなり迷惑そうに拒絶されたのです。搭乗を待つ周りのお客様も「なんだよ、杖もついていないくせに」とこちらを睨む顔が怒っています。たいしたことではないのかも知れませんが、こんな小さな経験が重なると、「もう旅行に行くのはやめよう」と家族は諦めてしまいます。これは誰が悪いとか、誰の責任とかそういう問題ではないのですが、高次脳機能障害の方やご家族が日々経験している現実です。」

高次脳機能障害というのは、後天的に(事故などで)脳に損傷を受け、そのために脳の機能障害をきたしてしまうことを言います。私たちの子どものような、先天的な脳の機能障害とは、もちろん違うものなのですが、しかし結果として現れる困難性は、けっこう似ているのではないかと思います。ですから、この文章にとても共感を覚えたし、こういう文章を書ける人(この会社の代表の方)は、かなりわかってるな~とすごく感心してしまいました。

しかし、この文章に出てくるように「優先搭乗は歩けない人だけ」なんて言う航空会社があるんですね。あきれたわ。じゃあ我が家は、そういうことを言われなかっただけ、まだマシかぁ、なんて変に感心したりして…っつーか、そんな低レベルで喜んでどうする(涙)

この会社のHPを見ていると、障害のある人たちのためにゆっくりとした日程のツアーが色々と、載っています。なるほど、こういうのを見たら、思い切って外へ出てみよう、と思える車椅子の方や人工透析の方なんかも、いらっしゃるだろう…そう思いました。うちの両親にも薦めてみようかしらんと思ったりして。

HPの中に、日経MJで紹介されたという記事も載っていました。あらかじめ顧客別にカルテを作り、時間をかけて準備してくれるようです。「控えめな言葉に隠れた不満を探る」そうなんですよね~障害者やその家族って、なかなかはっきり言わないの。「ただでさえ迷惑をかけているんだから文句なんて…」って遠慮しちゃう。でも、その本心を汲み取ろうとする姿勢って、素晴らしいですよね。なかなかできることじゃないですよ。

特に自閉症や知的障害について書かれているわけではないけれど、この旅行会社なら、相談できそうだな、と思えました。それに、このHPには、他の旅行会社のバリアフリーツアーの情報も載っていたのです。これを見ると、案外、あるもんなんですね、大手にも。知りませんでしたよ、全然。

例えば、「JTBバリアフリープラザ」「クラブツーリズム・バリアフリー旅行センター」「H.I.Sバリアフリートラベルデスク」…大手にも、あるんだぁ。びっくりです。(名前のところにポインタを置いてください。リンクを張ってあります。ベルテンポさんも同様)

もちろん、まだまだ数は少ないんだけど、これでも近年、ずいぶん増えてきたんですって。

そっか、いろいろ利用してみるのも、手だな。自分たちだけで頑張るんじゃなくって…。

ふと、元気が沸いてきた、土曜日の午後でした。



この記事へのコメント

まっくんママ
2006年07月30日 07:44
本当にステキな会社ですね。
実際にその会社を利用することがあるかどうかはわかりませんが、こういう会社があるというだけで、嬉しくなります。
『目に見えない障碍』…そうですね。日本ってバリアフリー=車椅子みたいな感じありますよね。
でも、航空会社までいまだにそういう考えなのには驚きました。禁煙に関しては海外並みな考えを持っているのに…。

利用できる日が来るかどうかわかりませんが(先立つものが…。)ベルテンポさんを「お気に入り」に入れちゃいました(^o^)
HP見てあれこれ考えるだけでも楽しそう。
2006年08月02日 18:30
航空会社は、まだまだ勉強不足かもしれませんね(^_^;)バリアフリー旅行も、やはり知的障害者についてはあまりサービスは期待できない模様で、とある会社から「知的障害者の方にも楽しい旅行をしていただきたいのですが…諸事情があってなかなか…」みたいなメールをいただいたことも。海外では、資格がないものが介護しちゃいけないとか決まりがあるらしく。うちなんて、介護なんてレベルじゃなく、いっしょにいてくれるだけでOKなんだけどなぁ(^^ゞ
なかなか難しいですけど、乗り物好きな娘がいるんで、旅行に関しては果敢にチャレンジしつづけたいですね!まっくんも、是非チャレンジしてね!
まっくんママ
2006年08月02日 22:14
何とか一度飛行機に乗せてあげたいって考えています。
でも親もまだ一度しか乗った事がない~(ToT)
新幹線もまだ一回しか乗せてないの。どうしても自動車の移動が中心になっちゃうので。

リンク許可有難うございました。早速リンクさせて頂きました♪リンク集の紹介文、ご確認下さい。変更希望等ありましたら、ご連絡お願いします。

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