沖縄旅行、完結編。

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沖縄旅行、最終日。」からの続きです。
その5 国際通り&牧志公設市場(キム喜び度…× 騒音・匂い…× 面白さ…◎)※注…くどいようですが、「自閉症児連れ家庭としての見地」からすると○なのか×なのか、という意味です。喜び度も、うちのキムの「喜び度」です。「一般人」とはちがうので、そのへんお間違えなく、よろしく。

首里城からタクシーを使い、国際通りの入り口まで移動しました(体力節約のため)。国際通り、もっとじっくり見て歩きたかったのですが、キムを連れていては、じっくりウィンドーショッピングというのは、あまり望めませんので、雰囲気だけ楽しみました。そうは言っても根性で、時々店頭で目に付いたものを買いました。このあたりのおみやげ物やさんで、よく売っているモビールの一種が目に付いたので、とっさに買いました。プラスチックの細長い板を、ねじねじっとしただけのもの。単純だけど、これが風に吹かれて回ると、リボンが次々と繰り出されるように見えて、面白い。自閉の子にはウケそうかもと思って買ったんですけど、どこにいても、ついつい、こういう発想でモノを見てしまうんですなぁ~。

国際通りから斜めに延びている商店街を通って、牧志公設市場へ向かいました。ここの二階に、美味しくて有名なサーターアンダギーの店があるというので、行ってみたかったのです。

ここは、すごい通りですね。まだ日本にこんなところがあるんだぁ~って思いました。人・人・人。モノ・モノ・モノ。ゴチャゴチャなのに、なにかパワーを感じます。日本各地の商店街で軒並み閑古鳥が鳴いているというのに、ここはすごい賑わいです。残念ながらメインストリートは、写真撮り忘れちゃいましたが…

ただ、こういうゴチャゴチャして人が多くて、うるさいところ…キムは苦手です。このゾーンから早く出たがってしょうがありませんでした。そういうときは、仕方ないので(旅先のことですから)アイスを買ってあげる、とかで釣るわけです。ここでお土産品をいくつかゲットしました。安いですね、このへんは。
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ところで問題の牧志公設市場。これまたすごいところです。生臭い匂いがたちこめいて、なんかこういう匂いに久しく出会ってないので、懐かし~っ。子どもの頃は、近くの魚屋とかでこんな匂い嗅いだよなぁ。ピカピカのスーパーの食料品売り場ではあり得ない匂いです。ここには間違いなくゴキブリがいるであろうという気がしました。

さて、問題の、二階のサーターアンダギーの店「歩」は、既に売り切れでした(涙)まあ、そうかな~とは思ってましたが…いつも、早々と売り切れるんですって。

↓美味しいサーターアンダギーの店「歩」
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でも、揚げたては買えなかったけれど、お土産用に袋にいれたものを置いていたので、10個入りを購入。そして揚げたては、その店のすぐそばの別の店がサーターアンダギーを揚げていたので、それを買って食べました。やっぱり揚げたては美味しい!でも、この店のサーターアンダギーは、ホットケーキミックスで作ったドーナツみたいな味だなぁって思いました。

↓近くにあった別の店「カナ」。このお店にはバナナ味などもあり、それも美味しかった。
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ところが、売り切れのほうの店のサーターアンダギーは、家に帰ってから食べたところ、全然違う味がしました。でも、やっぱり揚げたてじゃないとね~っ、いくら美味しいところと言われてもね~っ。はっ、しまった。オーブントースターであたためなおせば良かったんじゃん!今頃気がついても遅いって(涙)

↓牧志公設市場1階にて。豚の顔。
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最初に空港で荷物を預けたにも関わらず、お土産をあれやこれやと買い込んだおかげで、荷物が多くなり、日頃歩かないような距離を歩いたので、疲れてきてしまいました。そこで、再びゆいレールに乗り、空港へ。(勿論、また障害者割引を使いました)

その6 那覇空港および帰りの飛行機(喜び度…×× 自閉症的バリアフリー度…×××)

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空港についたときは、4時くらいになっていました。飛行機は6時10分ですから、しばらく空港内でお土産を見たり、ロンを遊び場で遊ばせたりしました。広いし、人もやたら沢山いるので、お土産を見るだけで、結構時間かかるの~(ため息)荷物検査の列が混みあっているから、早めに中に入ってくださいと言われたので、少し早めに中に入りました。

さて、搭乗が6時10分ですから、「空弁」を購入し、夕飯は機内ですませることにしました。沖縄とっても楽しかったけど、いよいよ帰るのね~…名残惜しいわ~…

と・こ・ろ・が。私たちが待っていた搭乗ゲートに「神戸行き」と出ていた表示が、消え、隣の隣のゲートに変わりました。「あれ???」とりあえず、そっち側に移動。すると、搭乗開始時間が20分くらい遅れるとのアナウンスが…。「え~っ」でも、そういうときのために優先搭乗を頼んであるわけです。

ちなみになんですが、午前中に空港で荷物を預けるときに、帰りの便での優先搭乗を頼んだんですね。すると、「お手伝いの必要なお客様は、早めにアナウンスがあるので、そのときお並びください」…えっ??それだけ??

ううーん、行きの神戸のときと、だいぶん違うなぁ、この対応。そこで、午後、お土産を買ってまた増えてしまった荷物を預けたときに、もう一度、優先搭乗について聞いてみました。するとこのときは、えらく手間取りながらも、優先搭乗の手続きをなにかしてくれていました…忙しそうだったので悪かったんだけど、でも午前中にしててくれたら、こんな差し迫った時間にやってもらわなくって良かったのにさぁ。

とにかく、一応優先搭乗の手続きはしてあったわけですが、搭乗が遅れることになりました。やれやれ…と思っていると、そのうち、今まであったはずの「神戸行き」の表示が、ゲートから消えてしまいました!周りのゲートのどこにも、「神戸行き」の便名がない!どういうこと?よくわかんないけど、とにかくお手洗いにいって…と、戻ってきたら、荷物も家族もいなくなっています。なんで~???

すると携帯に電話が入りました。「○○ゲート前にいる」って。こりゃまた、全然違う場所じゃないの。急いでそっちに行くと、重い荷物と共に家族が座っていました。まったくどうなってるのよ、とそこに座っていると、アナウンスが入りました。「18時10分発の神戸行きは、乗務員の到着が遅れておりますので19時40分に出発時間を変更いたします。」

↓「遅延」との表示が…
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「ええ~っ」どゲート前で、どよめきが起こりました。そんなに遅れるんかい!(涙)
あーあ、勘弁して頂戴よ、ANA!時間に融通がきかない人を連れているって言うのにさぁ
なんでも、機長がまだ到着してなかった?らしい…おいおい~っ(涙、涙)

「大変申し訳ございません、1時間半の遅延になりますので、ご搭乗予定の皆様に、空港内で使用できるお食事券をお渡しいたします…」おいおいっ、うちはもう、弁当買ってるっつーの(さらに涙)仕方ないので、買ったお弁当をベンチで食べることにしました。キムは、ただでさえ遅れてたのに、乗るのがまた更にずっと後になったと聞いて、怒り始めました。そりゃそうだよねぇ(T_T)

しかも、頼みの綱の「ニンテンドーDS Lite」の充電が切れかけています!やばい!
焦った私が周りを見回すと、コインを入れるとネットができるパソコンが2台、目に付きました…「よしっ!あれでゲームしておいで!」ロンと二人で、パソコンでゲームをさせることにしました。とりあえずそれで時間つぶしができて、一安心したのですが…待合にいた人々は、並んで食事券を受け取り、順次食事に出かけて行ったようです。

うちは食事券なんかいらないんだけど、「お食事券をまだ受け取っておられない方~」とANAがしきりに呼ばわるので、「もう食べちゃったんですけど」と言いに行きました。すると、一人千円分の現金を渡してくれましたんで、いただいておきましたが…でもこんなんくれるより、時間通りに飛んで欲しいけどさ。7時半が近づくと、食べに行っていた人たちも、続々と戻ってきました。

やれやれ、ようやく乗れるぞ!と思ったら、優先搭乗の呼び出しがありました。
3歳以下のお子様のいるご家庭、お体の不自由な方、お手伝いの必要な方、お並びくださーい」

えっ???それだけ???行きの「ポッシブルさま~ポッシブルさま~」状態は、なし??いや、それは虫が良すぎるかもしれないけど、それにしても…

言うまでもないことですが、ゴールデンウィークですから、子連れ家族って、沢山いるんですよ。その人たちがぞろぞろと沢山並ぶ中に、私たちも並びました…これって本当に優先搭乗?って聞きたくなるような列なんですけど(またまた涙)

だって1人の赤ちゃんに8人くらいの大人が一緒についてきて、優先搭乗するんですよ!?
行きと随分違うなぁ。「待てない障害なんです」って言ってるじゃん。行きは誰もいないところに乗せてくれたのに…。しかも10分20分ならともかく、1時間半も待たされて、自閉症者的にはすごくつらい状況なのになぁ。と思っていたら、案の定、キムがパニックを起こし出しました。

乗らない~無理よ、無理です~っ」列に並んでいても、なかなか前に進もうとせず、旦那が焦って「来なさい!」キムもしぶしぶって感じでなんとか中に入ったけど(本当にひどいパニックなら、無理強いしたら暴れる。そこまでひどくなかったのが幸い…)、搭乗ゲートを通っても、足がなかなか前に進まず、手すりを持って苦しんでいます。「想定外」の事態に、気持ちがついていかないんだよね。背中を押して、なんとか機内へ。

でもキムはボロボロ泣いて、「帰ります~那覇空港へ帰る~っ!!!」つらいね、キム。ごめんね~(涙)「お母さん、隣に座ってね」ってロンに言われてたけど、急遽旦那と交代し、私はキムの隣で慰め役です。手をさすったりして、「ごめんごめん、つらいね」…せめて、本人の気持ちを代弁します。飛行機に乗る以上、遅延はつきもの、覚悟の上でいないといけないとは言っても…それにしても、自閉症者にとってはかなり、つらいよね。

行きのように、列に並ばせることなく、先に呼んでくれたらまだ良かったかもしれないのになぁ。みんなが見ている中でパニクって、キムだって嫌だし、私たちもつらいじゃないの。3歳以下の子どもが泣いたって誰もおかしいと思わないけど、小学校5年生なんだよ。わかってほしいよなぁ、ほんと…行きの気遣いが、帰りに欲しかった。全日空さん。

いっつも思うんですけど、世の中の人は、みんな、「見えない障害」の人には本当に無関心。知らないんだから仕方ないって言うのかもしれないけれど、せめてサービス業の人間には、勉強してもらいたいもんです。バリアフリーって言葉は、身体障害者のためだけにあるんじゃない。航空会社HP内の、「お手伝いの必要なお客様へ」という案内にも、知的障害や自閉症者については、一切触れられていない。言ってくれればなんとかしますって感じ?もうちょっと考えてほしいなぁ、勉強してほしいなぁ。自閉症者にだって、快適に旅行する権利、あるでしょ?

こう書いていると、キムのパニックは、かなり人目にたつほどの大騒ぎだったかのようだけど、実際には、ほとんど周りに気がつかれてないと思います。なんだか泣いてるなぁくらいは、近くの人は思っただろうけど。本当に強烈な、大きなパニックなら、床に頭を打ち付けんばかりになるので、もう大変、本州に戻れなくなるだろうけどね。そういうパニックは、小学校1年生の時以来、一度もありませんが…

でも周りに気づかれていようがいまいが、とにかくキムはつらかったのです。落ち着かせるのにいつもの手で、「ほらほら、MD聞きなさい…」つらいときは、MD聞くのもヘッドフォンつけるのも、拒否しないんだよね、キムは。ちょっとでも楽になりたいからだろうなぁ。実はMDも充電が切れやしないかとビクビクものでしたが、なんとか大丈夫。キムはとりあえず音楽を聴き始め、飛行機は離陸。飛行機が飛び立ったら、次第に落ち着きを取り戻したのでした。良かった…

でも正直、「もしかして二度と飛行機に乗ってくれないのでは」と思いましたよ、このとき。ほら、「レイン・マン」でダスティン・ホフマン演じる自閉症のお兄さんは、飛行機に絶対乗らなかったでしょ。飛行機は落ちるからって。こんな嫌な思いしたんだから、ああなってしまうかも…って思いました。
↓遅延が決まったとき、「もうお手上げだぁ」のポーズ!?
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その7 神戸空港着陸時(待たされ度…サイアク 雨ジャージャーで更にサイアク、神戸空港さん、駐車場は全部舗装してください、雨が降ったら足元が悪いじゃないの)

これだけ待たせてくれたANA、神戸空港に到着したときは、心底ほっとしましたが、ここからまた更に15分待たされ…(前の機がまだいて、予定の位置に入れない状態)、そして、更に、荷物が全然出てこないのよ!待てどくらせど、出てこない~(怒!)荷物が出てくるのを待つ間に、駐車場の割引手続きを行いました。神戸空港は、身体だろうと知的だろうと、1級だろうと2級だろうと、障害者手帳を見せれば、駐車場料金は半額になります。これはありがたいよね。

結局、7時40分に出た飛行機は、少々早く9時30分ごろ到着したんだけど、そこから15分機内で待たされ、ターンテーブル前で待たされ、ようやく車に乗ったのは10時20分ごろでした。そこから岡山へ向かい、家に着いたのは、12時半ごろ。めっちゃくちゃ疲れました~な、長い一日だったぁ…翌日に一日、休む日を作っておいて、本当に良かったです。



さて、結果として、キムですが………「飛行機嫌い」には、なりませんでした。それどころか、「神戸空港行きたい~沖縄行きたい~」です(笑)…苦しいことがあっても、やっぱり非日常のもたらす快感は、たまらなく楽しく、ワクワクするものなんでしょうね。どうやら彼女にとって、またひとつ、「もう一度行きたいところ」が増えたみたいです。

飛行機が飛んでからはおとなしくなったように、やっぱり彼女は飛行機が好きみたい。帰ってきてから、レンタルビデオ屋で、名探偵コナンの「銀翼の奇術師」というDVDを借りてきて、何回も繰り返し見ているのは、飛行機が舞台の話だから…「キム、ここ行ったことある~?ある~?」うん、行ったことあるね。行ったことあるから、見てても、よくわかるでしょ?経験って、どんな言葉にも、どんな優れた療育にも、勝るよね。また乗せてあげなくっちゃね。

日頃、楽しめることの少ない自閉症者だけに、ひとつでも多く人生の楽しみを見つけて欲しい、そして人生の幅を広げていって欲しいと思います。

旅の最後にひどい目にあったとはいえ、全般的に見て、かなり進歩し、家族みんなで楽しめる旅行になってたんじゃないかと思います。基本はやはり、「(自閉症者と健常者)お互いにとって無理のない場所、それでいて楽しめる場所」を選ぶことどうしてもどちらかに合わせなければいけないときは、合わせてくれる相手への気遣いを忘れないこと…かしら?「自閉症児との楽しい旅行」は、着々と進化していってるみたい。これからも、進化し続けるべく、またどこか、旅に出るぞ~!!!「よくそんなに金があるわね」との周囲の雑音を跳ね返し、またどこかへ行きますよ~っ。

長々と読んでくださったみなさん、どうもありがとうございました。以上で「自閉症児と行く沖縄旅行2006」は、めでたしめでたし。

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